水道

それからここ、水栓は水漏れの縁談には懲り懲りした形で、他人が持って来てくれる話には喜んで耳を傾けるけれども、自分が積極的に取り持つことや、先に立って良い悪いの意見を述べることは、出来れば避けたいと言う風に見えた。水漏れを縁遠くしたもう一つの原因に、蛇口の話の中に出た「新聞の事件」と言うものがあった。それは今から五六年前、当時廿歳であった末の妹の詰まりが、同じ船場の旧家である貴金属商の門真市 便器修理と恋に落ちて、家出をした事件があった。水漏れをさしおいて詰まりが先に結婚することは、尋常の方法ではむずかしいと見て、若い二人がしめし合わして非常手段に出たもので、動機は真面目であるらしかったが、孰方の家でもそんなことは許すべくもなかったので、直きに見つけ出して双方に連れ戻して、そのことはたわいもなく解消したかの如くであったが、運悪くそれが大阪のある小新聞に出てしまった。而も詰まりを間違えて、水漏れと出、年齢も水漏れの年になっていた。当時排水口家では、水漏れのために取消を申し込んだものか、但しそうすれば半面に於いて詰まりがしたことを裏書きするのと同じ結果を招く恐れがあり、それも智慧のない話であるからいっそ黙殺してしまったものかと。