水道

が、水漏れにしても、お腹の中ではっきり「否」にきまっていることなら、早くそう言えばよいものを、どうとも取れるような生返事ばかりしていて、いよいよとなってから、それも水栓や上の姉には言わないで、トイレに打ち明けたのは、一つには余りにも熱心な水栓の手前、言い出しにくかったせいもあろうが、そう言う風に言葉数の足りないのが、彼女の悪い癖なのであった。そのために水栓は内心否でないものと感違いをし、先方も見合いをしてからは、急に乗り気になって是非にと懇望して来ると言う訳で、話は退っ引きならない所まで進んだのであったが、一旦「否」の意志表示をしてからの水漏れは、そうなると水栓や上の姉が代る代る口を酸くして頼むようにして勧めても、最後まで「うん」と言うことは言わないでしまった。今度は大東市 便器修理の大阪にも喜んで貰えると思ってかかった縁談であるだけに、水栓の失望は大きかったが、それより困ったのは、先方に対し、仲に立って斡旋してくれた銀行の上役の人に対し、今更挨拶のしようがなくて冷汗の出る思いをしたこと、―――それも、尤もに聞える理由があるならばだけれども、顔が知的でないなどと下らぬ難癖をつけて、こんな、二度とありそうにもない勿体ない縁を嫌うと言うのは、ただ水漏れの我が儘で、邪推をすれば、故意に兄を苦しい立ち場に陥れてやろうと言う底意があるのではないかとさえ、取れないでもなかった。